GOWRON
ガウロン
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出身 | クリンゴン帝国 |
職業 | 軍人・政治家(帝国総裁) |
受勲
功績等 |
クリンゴン内戦に勝利 |
ガウロン
ガウロン(Gowron)。2368年から2375年までクリンゴン帝国最高評議会総裁を務めた軍人、政治家。総裁就任には惑星連邦、特にエンタープライズ号艦長ジャン=リュック・ピカード大佐とクルーのウォーフ大尉が深く関わった。
【非力な二番手】
総裁就任への野心を持ったガウロンであったが、彼の総裁就任はいくつもの偶然の積み重ねによって実現した、半ば奇跡のような出来事と言っても過言ではない。
ガウロンのライバルであるデュラスは最高評議会において重きをなす実力者であり、押しも押されぬ総裁候補筆頭だった。一方のガウロンは一応二番手候補と考えられていたが、最高評議会から見れば門外漢であり、政治基盤はほぼ皆無と言っても良い状況であった。
しかし、デュラスは父・ジャロッドが犯したキトマーでの裏切り行為の隠蔽のためにウォーフ大尉の事実上の妻である連邦特別大使ケーラーを殺したことで、ウォーフの報復を受け殺害されるという事件が起こる(クリンゴン人にとって家族の仇討ちは正当な権利である)。
この事件により、デュラスに及ぶべくもなかった非力な二番手は一挙に総裁候補の筆頭に躍り出た(『新スター・トレック』第81話「勇者の名の下に (Reunion)」)。
【クリンゴン内戦】
最大のライバルであったデュラスの急死によって総裁の地位を手中におさめたガウロンであったが、前述のとおり、最高評議会に何の基盤も持たなかったガウロンが新総裁として乗り込むことに不満を覚える議員は少なくなかった。
その中でも特にガウロンを敵視したのはデュラスの妹であるルーサとベトール姉妹であった。
これに対し、ガウロンは就任式を円滑にすすめるために、同盟国・惑星連邦代表の立会人として、ジャン=リュック・ピカード大佐の出席を要求するなどし、反対派を抑えこもうとした。
これに対抗すべくルーサ・ベトール姉妹はデュラスの遺児であるトラルを擁立し、総裁の地位を要求。議員の多数もこれに同調した。しかし、調停人のピカードはトラルが幼少であることを理由にガウロンを総裁に指名し、それを根拠にガウロンは就任式を強行した。
当然この強行就任にトラル派が納得するわけもなく、ガウロン派とトラル派による帝国全土を巻き込んだクリンゴン内戦が勃発した(『新スター・トレック』第100,101話「クリンゴン帝国の危機・前編/後編(Redemption, Part I/Part II)」)。
結局、内戦は連邦の間接的な支援を受けたガウロン派の勝利に終わり、ガウロンはようやく総裁の地位を完全に手に入れた。
【権力への執着~破滅】
政治家としてのガウロンは強硬的であり、よくも悪くもクリンゴンらしい政治家であったと言える。ただ、カーデシア連合侵攻を巡って惑星連邦と意見が対立すると、連邦との和平条約であるキトマー条約を簡単に破棄し、形勢不利と見るや慌てて条約を復活させるなどいかにも短慮な部分があった。
また、ドミニオン戦争において勇将・マートク将軍が武名を轟かせるたびにガウロンはマートクに対して潜在的な政敵であるという認識を深めていった。政治基盤の弱い自分にとってマートクの厚い人望はそのままマートクの総裁推挙、ひいては自らの退陣につながると考えたためである。
マートクに対する潜在的不安を除こうとしたガウロンは、彼に無謀な作戦を遂行させ戦死させようと目論んだ。政治的野心が皆無であったマートクはガウロンの命令に従おうとしたがウォーフ(この当時、彼はマートクの一族に列していた)の反発を受け、ガウロンは決闘を挑まれた。元々好戦的なガウロンはウォーフの挑戦を嬉々として受けたが、結果として彼は敗れて命を落とした。
晩年のガウロンは権力基盤の弱さからか異常なまでの総裁の地位への執着が目立った。だがその執着は総裁の地位だけではなく、同時に自分自身の命をも失う原因となった。ガウロンの死後、総裁の地位は皮肉にも彼が政敵として謀殺しようとしたマートクが受け継いだ(『DS9』第172話「嵐に立つ者たち (Tacking into the wind)」)。
【編者補足】
ガウロンといえばギョロ目。見た目のインパクトが非常に強く、それほど登場回数は多くないですが印象に残りやすいキャラクターではないかと思います。性格の設定もかなりアクが強く、非常に濃い個性があります。
それにしても、ウォーフは有力な総裁候補(デュラス)を殺し、さらに現役の総裁(ガウロン)まで殺すなど、何気にクリンゴンの大物キラーです。
ガウロンを演じた俳優
ロバート・オレイリー(Robert O'Reilly) (1950~)
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