BORG QUEEN
ボーグ・クイーン
画像 | |
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出身 | 不明 |
家族 | 不明 |
職業? | ボーグ・クイーン(ボーグドローンを統率するユニット) |
ボーグ・クイーン
ボーグ・クイーン(Borg Queen)。ボーグ集合体の統率者たる個体。
2373年のボーグ第二次侵攻の際、エンタープライズEが遭遇したもの(『スター・トレック ファーストコンタクト』)と、デルタ宇宙域に飛ばされたヴォイジャー号が遭遇したものの2体(3体?)が確認されている。(『スター・トレック:ヴォイジャー』第109、110話「ボーグ暗黒フロンティア計画・前編/後編(Dark Frontier,PartI/PartII)」他)。
ただし、これらのクイーンはすべて共通した意識を持っているため、肉体は別々だが、元々は一つのクイーンの人格を共有している同一人物であると言える。
ボーグの女王|クイーンとピカード|クイーンとジェインウェイ|編者補足
【ボーグの女王】
不気味な集合体であり、個性を全く持たないボーグの中にあって、クイーンと呼ばれる個体は極めて特殊な存在である。彼女達は自分を「我々」ではなく「私」と呼び、ボーグの集合知を代表して物事を判断し、多くのドローンを支配して集合体を指揮する。
クイーンの知識は多くの同化した種族から得られており、それを自由に扱える彼女は宇宙でも有数の力を持った指揮官、指導者と言える。事実彼女が指揮下に置くボーグ・キューブは一隻数万人のドローンが乗っており、かつ彼女が指揮するキューブの数は数十隻にものぼるため、彼女は数十万から数百万人単位のドローンを自らの支配下においていることになる。
まさに宇宙でも最も巨大な戦力を保有する人物であるが、一方でクイーンはボーグ集合体にとって最大の弱点でもある。なぜなら、クイーンが何らかの形で生命機能を停止してしまうと、そのクイーンが指揮するドローンや艦隊は連鎖的に機能停止するか混乱し、最悪の場合は壊滅してしまう場合もあるからだ(『スター・トレック ファーストコンタクト』、『スター・トレック:ヴォイジャー』171,172話「道は星雲の彼方へ・前編/後編」(Endgame,Part I/Part II)」)。
ボーグの女王|クイーンとピカード|クイーンとジェインウェイ|編者補足
【クイーンとピカード】
ロキュータス |
連邦がクイーンの存在を初めて認識したのは2373年のボーグの第二次地球侵攻の時である。この時侵攻したのはボーグ・キューブ一隻のみの戦力だったが、このキューブにクイーンが座乗していた。
わずか一隻のみで侵攻したのはウルフ359の戦いでの完勝による油断かもしれなかったが、キューブはジャン=リュック・ピカードの的確な指揮により破壊された。
そこでクイーンは脱出艇のボーグ・スフィアに乗り込み、タイムワープを敢行して2063年のゼフラム・コクレーンのワープ実験を妨害して歴史を改変する事をもくろんだが、追撃してきたエンタープライズEに再び撃破された。
しかし、ここでもクイーンは生き延び、エンタープライズ号に転送侵入して、エンタープライズ号の乗っ取りをはかった。エンタープライズを侵食するように少しずつ同化していった彼女は、途中、データ少佐を捕え、彼に様々な快楽を与えることによって寝返るよう誘惑した。
一方、ボーグに侵食されたエンタープライズを自爆させる決断をしたピカードは、部下を退艦させて、自らはデータ少佐の救出に出向いた。そこで、ピカード=ロキュータスは6年ぶりにクイーンと再会した。自らの身柄を引き換えにデータの解放を申し出たピカードに、クイーンは優秀で気高いロキュータスが帰ってきた喜んだ。
しかし、ボーグ側に着いたと思われたデータはコクレーンのワープ実験船を破壊せよというクイーンの命令に背き、プラズマ冷却剤を流出させてクイーンを窮地に追い込んだ。
結局、プラズマ冷却剤をまともに浴びたクイーンの有機体部分は溶解し、クイーンは死亡。指揮下にあったドローンも次々機能を停止してボーグの第二次地球侵攻は完全な失敗に終わった(『スター・トレック ファーストコンタクト』)。
ボーグの女王|クイーンとピカード|クイーンとジェインウェイ|編者補足
【クイーンとジェインウェイ】
ジェインウェイ大佐 (当時) |
デルタ宇宙域に飛ばされたヴォイジャー号の艦長キャスリン・ジェインウェイとクイーンの関係はまさに不倶戴天の敵同士と言ってよいだろう。
対生命体8472同盟
2373年ごろ、流動空間という別次元の宇宙に住む生命体8472に侵攻したボーグだったが、生命体8472の抵抗力は凄まじくナノプローブが通用しないため同化できないどころか、逆に手痛い反撃を喰ってしまった。窮地に立たされたボーグにヴォイジャー艦長のジェインウェイは航行の安全確保と引き換えに生命体8472に対する対抗策を提供することを提案する。
ボーグは当初ヴォイジャーの同化を強行しようとしたが、ジェインウェイの交渉により同盟が成立、その連絡役としてセブン・オブ・ナインがヴォイジャーに派遣された。
はたしてヴォイジャー・ボーグ同盟は生命体8472を追い返すことに成功するが、ヴォイジャーの役目は終わったと判断した集合体はセブン・オブ・ナインにヴォイジャーの同化を命じた。しかし、ジェインウェイはセブン・オブ・ナインと集合体のリンクを強制的に切り、そのまま逃亡した。なお、この時まだクイーンは直接ジェインウェイとは会っていない(『スター・トレック:ヴォイジャー』第68、69話「生命体8472・前編/後編(Scorpion,PartI/PartII)」)。
クイーンの思惑
クイーン(第二次地球侵攻の際遭遇したクイーンは約2年前に破壊されているので別の個体である)はセブン・オブ・ナインをみすみす逃したわけではなかった。もとは地球人であるセブン・オブ・ナインに地球の文化に触れさせしかるべき時に連れ戻し地球人の文化や技術、気質などを吸収するため、あえてセブンをヴォイジャーに残したままにしていたのである。
しかし、ジェインウェイの決死の救出作戦や、クイーンの想像以上に従順ではなくなったセブンに手を焼き、結局はセブンを逃がしてしまった。また、セブンとのリンクを復活させたことで逆にボーグの情報をヴォイジャーに流してしまった(『スター・トレック:ヴォイジャー』第109、110話「ボーグ暗黒フロンティア計画・前編/後編(Dark Frontier,PartI/PartII)」)。
なおこの追撃の際、トランスワープチューブ通過中にヴォイジャーによってチューブを破壊され、多くのボーグ艦が圧壊した。追撃していたクイーンの艦も破壊された可能性がある。
聖域の攻防
ユニマトリックス・ゼロと呼ばれる一部のドローンが個人に戻れる“聖域”を巡り、ジェインウェイとクイーンは再び対峙した。
叛乱の種であるユニマトリックス・ゼロの存在を抹消したいクイーンと、ユニマトリックス・ゼロを支援することでボーグとの敵対関係に変化をもたらすことを望むジェインウェイだったが、その対立の過程でユニマトリックス・ゼロは崩壊。たがいに決定的な勝利を得ることは出来なかったが、一部のボーグがクイーンの支配下から逃れ、クイーンは小規模ながらも反乱勢力との対立を抱え込むことになった『スター・トレック:ヴォイジャー』第146、147話「聖域ユニマトリックス・ゼロ・前編/後編(Unimatrix Zero,PartI/PartII)」)。
決着
未来からやってきたジェインウェイ提督はヴォイジャーがボーグのトランスワープチューブを利用して地球へ帰る方法を現在のジェインウェイ艦長に提案する。ジェインウェイ提督が持ち込んだ未来の技術で強化されたヴォイジャーは次々とボーグ・キューブを破壊し、トランスワープハブに到着、ヴォイジャーは地球へ向けトランスワープハブへ侵入した。
ヴォイジャーを追撃するクイーンだったが、ヴォイジャーの脱出のために取引にやってきたというジェインウェイ提督が彼女の前に立ちはだかった。クイーンは議論もそこそこにジェインウェイを同化し、未来の知識や技術を吸収しようとするが、実はそれはジェインウェイ提督の罠で、提督が自らの体に仕込んだ神経溶解ウイルスを同化してしまったクイーンの体は崩壊し、それと連鎖するように彼女の艦隊は次々崩壊していった『スター・トレック:ヴォイジャー』171,172話「道は星雲の彼方へ・前編/後編」(Endgame,Part I/Part II)」)。
ボーグの女王|クイーンとピカード|クイーンとジェインウェイ|編者補足
【編者補足】
ボーグ・クイーンは印象深い敵役です。特に吹き替え版の『ヴォイジャー』でのクイーンは榊原良子の独特の落ち着いた声が見事にハマって、見た目はヌルヌルして不気味なのにどこか蠱惑的な雰囲気を持った妙な色気があるキャラクターであるように見えます。
ただ、クイーンという支配者の存在はボーグという種族の概念を分かりやすくもしましたが、その反面、絶対的な統率者としての彼女の存在が得体の知れない集合体、集合知という当初ボーグが持っていた不気味さを半減させてしまったのも事実で、その意味では功罪のあるキャラクターと言えるかもしれません。
ボーグ・クイーンを演じた俳優
(ST8, VOY:#171-172)アリス・クリーグ(Alice Krige) (1954~)
(VOY:#109-110,#146-147)スザンナ・トンプソン(Susanna Thompson) (1958~)
日本語吹き替え:野沢由香里(ST8)、榊原良子(VOY)
ボーグの女王|クイーンとピカード|クイーンとジェインウェイ|編者補足
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