U.S.S.ヴォイジャー NCC-74656
“For I dipt into the future, far as human eye could see; Saw the Vision of the world, and all the wonder that would be...-Alfred Tennyson”
(「未来を覗き見るために、人の視覚をはるかに超えて思いを馳せたのだ。すべての驚きが待っているであろうその世界に―アルフレッド・テニスン」就航記念銘板より)
【艦歴】
U.S.S.ヴォイジャーは2371年に就役した。当時としては最新鋭艦であり、様々な新機軸が満載された画期的な宇宙艦であった。
ヴォイジャーはキャスリン・ジェインウェイ大佐の指揮下に入り、初任務として行方不明になった反カーデシア組織マキの船の捜索を命じられた。しかし、ヴォイジャーは突如として謎の力によってデルタ宇宙域まで飛ばされてしまう。
この謎の力は管理者と呼ばれる高等な科学力をもった異星人によるものだったが、その管理者はヴォイジャーがデルタ宇宙機に現れて間もなく死亡し、帰る術を失ったヴォイジャーは7万光年という途方もない地球への帰途をたどらなければならなくなってしまった(『スター・トレック:ヴォイジャー』第1,2話「遥かなる地球へ・前編/後編(Caretaker,Part I/Part II)」 )。
ヴォイジャーは、カタログデータでは6年間の任務に耐えられるように設計されているものの、ヴォイジャーに強いられたあまりにも長い帰途にはそれの何倍もの時間が必要だった。本来ならば到底達成不可能な航程であったが、結論からいえば、ヴォイジャーは7年間宇宙艦隊から孤立した状態で航行を続け、見事に地球に帰還している。
しかし、地球へ戻ってきたヴォイジャーの姿は異様だった。展開式装甲、トランスフェイズ魚雷など未知の技術によって大幅に強化されていたのだ。これは25世紀から時間の改変のためにやってきたジェインウェイ提督によってもたらされたもの(もちろん、これは時間法に違反する違法行為である)であることが後の報告によって判明しているが、このヴォイジャーは極めて強力で、単艦でボーグキューブ数隻と渡り合えるほどだった(『スター・トレック:ヴォイジャー』第171,172話「道は星雲の彼方へ・前編/後編(End Game,Part I/Part II)」 )。
【編者補足】
『スター・トレック:ヴォイジャー』の主役艦。ボーグが潜むデルタ宇宙域という悪条件の中、7年間もの単独航行を成し遂げた同艦の活躍は特筆すべきものがあります。しかしそれ以上に特筆すべき点といえば、最終話でのとんでもない改造が施されたことが挙げられるでしょう。
とにかく最終話のヴォイジャーの強力さは衝撃的で、かつてウルフ359の戦いでわずか1隻で40隻の連邦艦隊を全滅させたボーグキューブを次々と撃破、その一方でボーグからの攻撃はほとんど受け付けないという強靭さを発揮。『新スター・トレック』最終話で、3発ワープナセル、大口径フェイザーキャノンというかなりやんちゃな改造を施していたエンタープライズDが可愛く思えるほどの反則改造と言えるものでした。
結局この25世紀の技術がどうなったかは不明ですが、時間法に抵触するのでおそらくは放棄されたと思われます。ただ、ジェインウェイ提督なら「この先訪れるであろう未知の脅威のために」とひそかに保管しているかもしれない…と思うのはヴォイジャーの見すぎなのでしょうか。
-----登場作品-----
- 『スター・トレック:ヴォイジャー』