【概要】
クティンガ級(K'T'inga、ク・ティンガ級と表記する場合もある)は23世紀にクリンゴン帝国主力艦として運用された巡洋戦艦。本稿では前級であるD-7級についても解説する。
D-7級
D-7級は23世紀中ごろに運用された巡洋戦艦で、当時のクリンゴン軍の機動戦力の中核を担っていた。
2260年代、クリンゴンと同盟関係にあったロミュラン帝国に供与され、ロミュランでもD-7級は主力級の戦艦として運用されており、名実ともに連邦のコンスティテューション級のライバルといえる宇宙艦であった。なお、ロミュランのD-7級の中には遮蔽装置を搭載した改良タイプも存在した。
しかし、2260年代後半になると、クリンゴン軍は連邦の戦力強大化を警戒してD-7級の後継艦の開発を急いだ。こうして開発されたのがクティンガ級である
クティンガ級
クティンガ級の開発は2260年代に開始され、2270年初頭には実戦配備されていた。
クティンガ級は外見こそD-7級とあまり変わらないものの、様々な新機軸が導入されており、性能面では飛躍的な向上を実現している。本級の設計においては防御力強化が重視され、隔壁やフォースフィールドによって構造を強化している。
クティンガ級における能力強化は当然攻撃にも及んだ。クティンガ級は前級のD-7よりもほんの少し小さく、連邦主力艦のコンスティテューション級(286m,190000t)に比べると一回り小さい。しかしながら、クティンガ級はそれらよりもはるかに重武装であった。徹底した武装強化により、搭乗員の居住性などはほとんど考慮されず、艦内の多くのスペースが武器のジェネレーター等に割かれた。もっとも、この傾向は他のクリンゴン艦にも見られる傾向である。
クティンガ級は、連邦との和平を目指した帝国の最高権力者であるゴルコン総裁も旗艦として同級のクロノスIに座乗したことからも分かるように、クリンゴン帝国防衛軍最強の戦艦として23世紀末まで君臨していた。24世紀には主力艦の座はク・ヴォート級バード・オブ・プレイやヴォル・チャ級打撃巡洋戦艦に移るが、それまではクリンゴン帝国軍を象徴する代表的な宇宙艦であった。なお、すでに主力艦の座から引いているが2370年代においても稼働可能な艦はいまだに運用されている。
【編者補足】
23世紀におけるクリンゴン帝国の主力艦で、D-7級はTV版『宇宙大作戦』、クティンガ級は劇場版において主に活躍しました。とはいえ、テレビ版では予算不足のためかなかなか映像には出てこず、それほど印象に残る活躍はありませんでした。
しかしながら、劇場版第一作『THE MOTION PICTURE』においては壮大な幕開けと同時に登場(その後あっという間に破壊される)。その後の活躍が期待されましたが、3作目には『新スター・トレック』でもおなじみのバード・オブ・プレイが登場、以降、完結編のVIまでその雄姿を見ることはできませんでした。その華々しい経歴に比べると実際の映像ではあまり目立たない艦と言えるかもしれません。
-----参考文献-----
Lebowitz,Adam Bonchune,Robert.STAR TREK STARSHIP SPOTTERSTAR TREK, 2001.