【概要】
クリンゴン・バード・オブ・プレイはクリンゴン帝国のブレル級をはじめとする独特のデザインの艦の系譜の通称。これ以前の22世紀にもバード・オブ・プレイと呼ばれるクリンゴン艦も存在するが、本稿ではブレル級以降のバード・オブ・プレイについて解説する。
クリンゴン・バード・オブ・プレイと呼ばれる級は試作艦などを除き、ブレル級、D-12級、ク・ヴォート級が知られているが、実際のクリンゴン・バード・オブ・プレイはそれ以上にバリエーションが多く、大きさ、性能、用途などによって様々であり、正確にはバード・オブ・プレイと呼ばれる艦が何種類あるのか分かっていない。
ロミュラン帝国との同盟によりもたらされた遮蔽装置を初めて搭載したクリンゴン艦でもある。
ブレル級(B'rel Class)
ブ・レル級と表記される場合もある。最初期のクリンゴン・バード・オブ・プレイで2280年代にその存在が確認されている。全長は100mにも満たない小型艦であるが、快速性と遮蔽装置による隠密性を生かし、主に偵察艦として運用された。小型艦ではあるが攻撃力はクリンゴン艦らしく強力で、惑星ジェネシスでエンタープライズ号と遭遇した際は、エンタープライズが万全の状態ではなかったとはいえ、短期間で行動不能に陥らせ、自沈のきっかけを作った。
なお、ジェネシスで遭遇したクリンゴン・バード・オブ・プレイはカーク提督(当時)によって鹵獲されている(『スター・トレックIIIミスタースポックを探せ!』)。
D-12級
おそらくはブレル級と同時期に開発されたと思われるバード・オブ・プレイである。あまり知られているクラスではなかったが、2371年、ベリディアン星系での戦いでエンタープライズDを撃沈している。
しかし、このD-12級はプラズマ・コイルに欠陥があり、イオン化パルスに反応して遮蔽装置が誤作動してしまうという弱点があった。遮蔽装置は起動すると一旦シールドが降ろされるため約2秒間無防備になってしまう。結局、このD-12級バード・オブ・プレイはこの弱点を突かれ、沈みゆくエンタープライズからの反撃を受けあえなく撃破されてしまった。
なお、D-12級は上記の欠陥により2370年代にはすでに生産が中止、退役になっていたようである。
クヴォート級(K'vort Class)
ク・ヴォート級、ケィ・ヴォート級と表記される場合もある。24世紀に入ってから見られる大型のバード・オブ・プレイで巡洋艦に種別される。大型ではあるが機動性は高く、戦闘においても重要な役割を負っている。
【編者補足】
クリンゴン・バード・オブ・プレイは劇場版『V』リマスター版(DVD,BD)の音声解説によればもともとロミュランの艦という設定であったらしく、劇場版『III』で初めて登場したバード・オブ・プレイはクリンゴンがロミュランから鹵獲したものと想定されていたようです。しかしながら撮影時間の都合などからその件は語られず、結局『V』で正式にクリンゴン艦となったとのこと。
その後、バード・オブ・プレイはクリンゴン艦の代名詞のようになり、バード・オブ・プレイの元祖であるロミュランのバード・オブ・プレイは区別のためかウォーバード(これはロミュランの国章にデザインされている鳥の名前でもあるようだ)と呼ばれるようになっています。
-----参考文献-----
Lebowitz,Adam Bonchune,Robert.STAR TREK STARSHIP SPOTTERSTAR TREK, 2001.