宇宙艦隊ユニフォーム(制服)の変遷
2260年代|2270年代|2280年代|2360年代|2370年代
【男性用】 【女性用】 |
【2260年代】
概要
図は2260年代半ばから採用されたユニフォーム(制服)で、パイロット版(「歪んだ楽園(The Cage)」「光るめだま(Where No Man Has Gone Before)」)を除く『宇宙大作戦』で着用されたモデルです。
図で描かれているものはこのころのDuty Uniform(常装)で、艦隊士官はほとんどの場合このユニフォームを着用します。
女性は極端に丈の短いスカートを着ているように見えますが、下には同色のホットパンツのようなものを履いているのでアンダーウェアが見えてしまうということはありません。
2009年版もこれとほぼ同じデザインですが、上着に艦隊のマークをあしらった近似色のパターン柄が全体にあしらわれています。
階級章等
階級は袖章で表します。また左胸の記章は勤務地、搭乗している宇宙船などでデザインが異なり、図の場合はいわゆる「宇宙艦隊のマーク」をデザインした記章ですが、このデザインの記章は当時においてはエンタープライズ号勤務であることを表します。
また、記章の中のデザイン(「★」や「+」など)はその士官が所属する部署を表しています。
階級章(佐官以上) | |||||
---|---|---|---|---|---|
階級 | 少将 | 准将 | 大佐 | 中佐 | 少佐 |
階級章(尉官以下) | 少尉以下の階級の者の袖章は無い | ||||
階級 | 大尉 | 中尉 | 少尉以下 |
※この時代の階級章は袖章。両腕部に刺繍されている。
※中将以上の階級は当然存在するが、階級章は劇中では確認できない。
ユニフォームの色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わします。2260年代はユニフォームの色で所属部署が分かるようになっています。
- ■指揮・航法部門(船長・ナビゲーター・操舵手等(ブリッジ士官))
- ■機関・保安部門(機関・保安部員・技術者等)
- ■科学・医療部門(科学士官・船医・看護士等)
バリエーション
常装の他には、外交や軍法会議等で着用する礼装があり、その他、特殊な軍装として指揮官専用のラップアラウンド等があります。
また、医療部員は他の士官の制服と若干異なるものを着用する場合が多く、医療部長のレナード・マッコイは青い半袖、半光沢地の服をよく着用しており、看護婦のクリスティン・チャペルも、デザインは女性士官用常装と同じながらも、半光沢地で襟口が黒くないタイプの制服を着用しています。
2009年版では、常装としてダークグレーかダークレッドの詰襟タイプの服を着用しており、上図のようなユニフォームはミッション従事中に着用するユニフォームという位置づけのようです。
“赤シャツ”
赤いユニフォームを着た名前が特に設定されていない保安部員は上陸任務などでかなりの確率で死亡するため、やられ役としての保安部員は“赤シャツ”(red shirts)と揶揄的に呼称されることがあり、TOSにおけるジンクス(ネタ?)の一つとして確立しているようです。
なお、機関部長のスコットや通信士官のウフーラも赤い制服を着ていますが、彼らはレギュラーなので赤シャツとは呼ばれません。
この伝統は2009年版にも受け継がれ(?)、登場してあっという間に死亡したオルソン機関士も、ウイングスーツを着ているため分かりにくいですが、機関部員なので「赤シャツ」です。
2260年代|2270年代|2280年代|2360年代|2370年代
【2270年代】
概要
図は2270年代に着用されたと思われるユニフォーム(制服)で、劇場版第一作『スター・トレック THE MOTION PICTURE』に登場しました。
図で描かれているものはこのころのDuty Uniform(常装)になっています。
映画化に際し、TOS時代のユニフォームのままでは大画面のときにケバケバしく映るということで、所属部署に関係なく、士官のユニフォームは図のような落ち着いた中間色のものに統一されました。
しかしながら色分けが完全になくなったわけではなく、肩章か左胸の記章の色で所属部署が分かるようになっています(図参照)。
階級章等
階級は袖章、もしくは肩章で表します。基本的に袖章があれば肩章はなく、肩章があれば袖章がありません。ただし、提督以上のユニフォームの記章はワッペンではなく金バッジで、所属部署が記章の色では表せないため、袖章と肩章の両方が付けられています。
階級章(佐官以上) | |||||
---|---|---|---|---|---|
階級 | 少将 | 准将 | 大佐 | 中佐 | 少佐 |
階級章(尉官以下) | 少尉以下の階級の者の袖章は無い | ||||
階級 | 大尉 | 中尉 | 少尉以下 |
※この時代の階級章は袖章と肩章。袖章は両腕部に刺繍されている。肩章に関しては詳細不明。
※中将以上の階級は当然存在するが、階級章は劇中では確認できない。
記章・肩章の色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わしています。2270年代のユニフォームは左胸の記章と肩章の色で所属する部署を表します。またこの時代は他の時代の3色よりもさらに細分化されて6色に分けられています。
- ■指揮部門(船長・副長)
- ■航法部門(パイロット・ナビゲーター・通信士官等(ブリッジ士官))
- ■科学部門(科学士官・技術者等)
- ■機関部門(機関部員・技術者等)
- ■保安部門(保安部員)
- ■医療部門(船医・看護士)
バリエーション
この時代のユニフォームはとにかくバリエーションが多く、上記の常装、提督用の他、常装のカーキ色バージョン、ジャンプスーツ(これも淡いブルーグレーとカーキ色の2色ある)、白い半袖タイプのもの、襟付き、医療士官用の白いユニフォーム、ラップアラウンドタイプ(2色)…などなど、少なくとも10種類以上あり、カークも劇中で提督用、常装(艦長に復帰したため大佐用のものを着用した)、半袖タイプの3種類のユニフォームを着用しました。
このころから、士官のユニフォームには大佐以下と提督以上のものに差異が見られるようになっています。一方で、男女の制服の違いは無くなりました。
また、このころから保安部員はプロテクターを付けるようになっています。
2260年代|2270年代|2280年代|2360年代|2370年代
【2280年代】
概要
図は2280年代から着用されるようになったと思われるユニフォーム(制服)で、劇場版第二作『スター・トレックII カーンの逆襲』から登場しました。
図で描かれているものはこのころのDuty Uniform(常装)。
このユニフォームは第二作を監督したニコラス・メイヤーが、英国海軍を意識して作らせた(カークのキャラクターがセシル・スコット・フォレスターの小説『ホーンブロワー』シリーズで有名な架空の英国海軍士官のホーンブロワーに重なったためだという)もので、TMPタイプのものに比べより軍服らしいものになっています。
階級章等
階級章は肩章と腕章に付けられたピンで表されます。その他、腕章には階級章の他、勤続年数や受賞歴を表すピンが付けられます。
階級章(将官) | ||||||
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階級 | 元帥 | 大将 | 中将 | 少将 | 准将 | |
階級章(佐官以下) | ||||||
階級 | 大佐 | 中佐 | 少佐 | 大尉 | 中尉 | 少尉 |
※この時代の階級章は肩章と腕章。肩章は右肩に、腕章は左腕に付ける。
肩章・腕章の色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わしています。2280年代は肩章と腕章の色により所属部署を表します。この時代は他の時代の3色よりも細分化されており5色に分けられています。
- ■指揮部門(船長・副長)
- ■科学・保安部門(科学士官・通信士官・保安部員等)
- ■機関・航法部門(機関部員・技術者・パイロット等(ブリッジ士官))
- ■医療部門(船医・看護士等)
- ■訓練生
スカートタイプについて
スカートタイプのユニフォームは、女性士官は必ず着なければいけないものではなく、ズボンタイプのものと選択することが可能のようで、女性士官でも、サービック、ヴァレリスといった女性士官は一貫してズボンタイプのものを着用しており、ウフーラも『スター・トレックIV 故郷への長い道』まではズボンタイプのものを着用していましたが、『スター・トレックV 新たなる未知へ』以降はスカートタイプのものをもっぱら着用するようになっています。
バリエーション
常装の他には、上陸任務用のもの、ジャケットタイプのものなど。外交の場面でも常装を着用している(『スター・トレックVI 未知の世界』)ことから礼装は特にないようです。提督用の制服はほぼ大佐以下のものと同じですが、金糸による縁取りなどの装飾が施されています。
この制服は、若干形を変えながらも基本的なデザインはそのままに2350年ころまで着用されました。
2260年代|2270年代|2280年代|2360年代|2370年代
【初期型】(第1~2シーズン) 【後期型】(第3シーズン以降) |
【2360年代】
概要
図は2360年代に着用されたユニフォーム(制服)で、主に『新スター・トレック』で着用されました。
図で描かれているものはこのころのDuty Uniform(常装)で、左はシリーズ初期のもの、右はシリーズ後半のものになっています。
・初期型
第1シーズンから第2シーズンまで着用されたユニフォームで、丸首タイプのものです。この初期型ユニフォームで最も印象的なのは体に非常にフィットしている点ですが、これはシリーズの生みの親であるジーン・ロッデンベリーが服のしわを嫌って役者にワンサイズ小さなものを着せたためです(『スター・トレック』オリジナルクルー劇場版BOX特典「The Captain's Summit」等で言及されている)。
・後期型
第3シーズン以降に見られるユニフォームで、丸首から立ち襟タイプのものに変化。その他、襟もとのラインも廃止され、腰にベルトのようなものが追加、前開きのものから後開きのものに改められています。正確には第3シーズン初期に移行型と言えるような立ち襟、ベルト無し、前開きタイプのものも存在します。初期型、移行型はその後もしばらく主要クルー以外が着用している場面が見られます。
また、さすがにワンサイズ小さなユニフォームでは役者がしんどい、ということで若干余裕のあるサイズに改められています。
階級章
襟もと(後期型は襟)につけられたピンの数で表します。提督以上になると、襟章はピンからプレート状のものになり、ユニフォームも図のものとはかなり異なるものになります。
階級章(将官) | ||||||
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階級 | 元帥 | 大将 | 中将 | 少将 | 准将 | |
階級章(佐官以下) | ||||||
階級 | 大佐 | 中佐 | 少佐 | 大尉 | 中尉 | 少尉 |
階級章(下士官) | ||||||
階級 | 准尉 |
※この時代の階級章は襟章。佐官以下は右襟に、提督以上は両襟につける。
ユニフォームの色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わしています。2360年代はユニフォームの色で所属する部署を表します。
- ■指揮・航法部門(船長・ナビゲーター・操舵手等(ブリッジ士官))
- ■機関・保安部門(機関・保安部員・技術者等)
- ■科学・医療部門(科学士官・船医・看護士等)
【2360年代・ジャンプスーツ】
概要
このユニフォームは2360年代に着用されたジャンプスーツで、主に『スター・トレック :ディープ・スペース・ナイン』(以下、DS9)、『スター・トレック :ヴォイジャー』(以下、VOY)に登場しました。
『新スター・トレック 』(以下、TNG)終了直後の劇場版『スター・トレックジェネレーションズ』ではピカードらがTNGタイプのものとこのジャンプスーツを併用していたので後継タイプのユニフォームであるようにも見えますが、現在はこのジャンプスーツは2360年代のユニフォームのバリエーションの一つであり、TNGタイプのものと併存していると理解されています。
階級章等
襟につけられたピンの数で表します。
階級章(将官) | ||||||
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階級 | 元帥 | 大将 | 中将 | 少将 | 准将 | |
階級章(佐官以下) | ||||||
階級 | 大佐 | 中佐 | 少佐 | 大尉 | 中尉 | 少尉 |
階級章(下士官) | ||||||
階級 | 准尉 |
※この時代の階級章は襟章。インナーの襟の右寄につける。
ユニフォームの色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わしています。ジャンプスーツでは科学・医療士官はこれまでの濃いスカイブルーから青みがかった緑に改められています。
- ■指揮・航法部門(船長・ナビゲーター・操舵手等(ブリッジ士官))
- ■機関・保安部門(機関・保安部員・技術者等)
- ■科学・医療部門(科学士官・船医・看護士等)
バリエーション
常装(TNGタイプ)とジャンプスーツ(DS9、VOYタイプ)以外のバリエーションには礼装、提督用(これはTNG、DS9、VOY共通)など。
その他、TNGタイプには最初期にスカートタイプのユニフォームが極稀に見られます。このスカートタイプのユニフォームは女性専用というわけではありません。
2260年代|2270年代|2280年代|2360年代|2370年代
【2370年代】
概要
図は2370年代半ばから採用されたユニフォーム(制服)で、劇場版『スター・トレックファーストコンタクト』以降、『スター・トレック :ディープ・スペース・ナイン』第5シーズン途中(第108話「預言者シスコ(Rapture)」)以降で見られるユニフォームです。
図で描かれているものはこのころのDuty Uniform(常装)になります。大佐以下の艦隊士官はほとんどの場合このユニフォームを着用します。
デザインとしては2360年代のジャンプスーツのインナーとアウターの色を入れ替えたような形になっています。
階級章等
階級は襟につけられたピンの数で表します。提督以上になると、襟章はピンからプレート状のものになります。
階級章(将官) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
階級 | 元帥 | 大将 | 中将 | 少将 | 准将 | |
階級章(佐官以下) | ||||||
階級 | 大佐 | 中佐 | 少佐 | 大尉 | 中尉 | 少尉 |
階級章(下士官) | ||||||
階級 | 准尉 |
※この時代の階級章は襟章。佐官以下はインナーの右襟に、提督以上はインナーの両襟につける。
ユニフォームの色について
宇宙艦隊は士官が担当している仕事をユニフォームや階級章の色によって表わします。2370年代はインナーと袖のラインの色で所属部署が分かるようになっています。
- ■指揮・航法部門(船長・ナビゲーター・操舵手等(ブリッジ士官))
- ■機関・保安部門(機関・保安部員・技術者等)
- ■科学・医療部門(科学士官・船医・看護士等)
バリエーション
常装、提督用常装の他には、外交や式典で着用する礼装があり、これまでの礼装のように部署による色分けがはっきりしたものではなく、白を基調にしたタイプのものになっています(色分けは襟口に申し訳程度に見られる)。その他、ベストタイプのものも確認できます。