WILLARD DECKER/ILIA
ウィラード・デッカー/アイリア
ウィラード・デッカー
画像 | |
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出身 | 地球 |
家族 | マット・デッカー(父) |
職業 | 惑星連邦宇宙艦隊士官 |
最終階級 | 中佐(*1) |
受勲
功績等 |
ヴィジャーの撃退 |
主な履歴 |
デルタ星勤務(時期不明)
エンタープライズ号艦長(2269~2271) |
備考 |
※家族は名前が判明している人物のみ掲載
※最終階級は劇中で確認できるもの |
【デッカーの略歴】
ウィラード・デッカー(Willard Decker)。宇宙艦隊士官。階級は大佐である。父は同じく艦隊士官で提督(准将)を務めたマット・デッカー(*2)。
エンタープライズ号艦長に到るまでの詳しい経歴は不明な点が多いが、デルタIV号星で勤務していたことが確認されている。
2369年に退任したジェイムズ・T・カーク大佐の後任としてエンタープライズ号の艦長に就任した。
しかし、エンタープライズ号は彼の就任と同時に改装工事に移り、デッカーの艦長としての初仕事は探検航海の指揮ではなく、改装工事の指揮となった。
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
【解任と降格】
2371年、改装成ったエンタープライズ号に、地球へ接近する謎の高エネルギー体(ヴィジャー)の撃退任務が下された。しかし、作戦の責任者であるノグラ提督は宇宙艦指揮未経験のデッカーに代えて、経験のあるカーク少将をエンタープライズ号艦長に復帰させることを決断した。
デッカーはカークから直接艦長解任を告げられ、さらにカークが大佐相当の艦長に復帰することから一時的に中佐へ降格させるという命令を受けた。これを聞いたデッカーは当然憤慨したが、命令に背くわけにもいかず渋々副長への格下げと中佐への一時降格処分を受け入れた。さらに科学主任ソナク中佐が転送事故で死亡したため、急遽科学主任も担当することになった(後にスポックが科学主任として復帰したため専任の副長に戻っている)。
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
アイリア
画像 | |
---|---|
出身 | デルタIV号星 |
家族 | 不明 |
職業 | 惑星連邦宇宙艦隊士官 |
最終階級 | 中尉 |
受勲
功績等 |
ヴィジャーの撃退 |
主な履歴 | エンタープライズ号ナビゲーター(2271) |
備考 |
※家族は名前が判明している人物のみ掲載
※最終階級は劇中で確認できるもの |
【アイリアの略歴】
アイリア(Ilia)は宇宙艦隊士官でエンタープライズ号のナビゲーターを務めた。階級は中尉。
デルタ人で、デッカーがデルタIV号星に勤務していたときは恋愛関係にあった。
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
【エンタープライズ号へ緊急配属】
アイリアは元々エンタープライズ号に勤務する予定ではなかったが、転送事故で前任のナビゲーターが死亡したため、急遽彼女がナビゲーターとして勤務することになった。
デッカーとの関係はデッカーがデルタIV号星を離れてから自然消滅していたようだが、何かと艦長のカークと対立するデッカーのことを気遣い、カークと対立することで孤立しがちなデッカーもアイリアには心を許し、互いに愛する気持ちは残っていることがうかがえる。
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
【二人を待ち受ける運命】
高エネルギー体ヴィジャーに接触したエンタープライズ号であったが、強力なエネルギーを持ちながらも目的が分からないヴィジャーに対してカークは迎撃の手段を考えあぐねていた。
そうした煮え切らない態度のカークに対し、デッカーは「対処法が分からないなら接近するべきはない」などと進言していたが受け入れられなかった。
しかし、デッカーの危惧は最悪の形で的中することになる。突如侵入したヴィジャーのプローブ(探索機)によってアイリアが消滅させられてしまったのである。
その後の調査でヴィジャーの目的は「クリエイターと合体すること」であり、「クリエイター」は地球にいることが分かった。さらにヴィジャーがかつて地球から打ち上げられた「ヴォイジャー6号」である(V'gerとはVoyagerと記された銘板が汚れて“oya”の部分が読めなくなってしまったため、判読できる部分だけを読んだものである)ことが判明した。
すなわち、「クリエイター」とは人類であることが分かったが、究極に近い機械生命体であるヴィジャーは、不完全な生命体である人類をクリエイターであると認められず、人類の存在がクリエイターを阻害していると判断して地球に攻撃を仕掛けた。
一方、ヴィジャーのデータ内に吸収されてしまったアイリアは、自らの姿を模した新たなプローブ(探索機)を通してデッカーと再会した。
アイリアの姿をしながらも全くの人工物であるプローブにデッカーは最初戸惑ったが、プローブの中にアイリアの記憶や感情がかすかに残っていることを確信した。また、プローブとの接触により、ヴィジャーの求める答えが「人間性の獲得」であることにも気づいた。
人類を抹殺しようと怒り狂うヴィジャーを鎮めるにはヴィジャーの希望通り「クリエイター」すなわち人間と合体するしかないと感じ取ったデッカーは自らの身をヴィジャーに捧げた。膨大なヴィジャーの記憶の中にかすかに残ったアイリアの心はデッカーを受け入れ、アイリアとデッカー、そしてヴィジャーは一体化して新たな生命体へと進化した。
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
【編者補足】
この二人のキャラクターはもともと幻となったTVシリーズ「PhaseII」にレギュラー出演する予定だったキャラクターで、インターネットで検索すると、TOS版のユニフォームを着たアイリアのテストフィルムの画像なども見つけられます。
結局、「Phase II」はパイロット版「In Thy Image」を撮っただけでお蔵入りになってしまったものの、この二人のキャラクターは残され、「In Thy Image」を元にして作られたTMP(The Motion Picture)で主役級の重要人物として活躍することになりました。
デッカーはカークに対して全編通して不満たらたらですが、何の非も無いのにいきなり艦長解任と降格処分を言い渡されれば、そういう態度になるのも仕方ないところですね。ただ、そういう設定のせいで妙にせかせかした余裕のないキャラクターになってしまって魅力が半減してしまったのは残念。
一方のアイリアは、演じるパーシス・カンバータが元ミス・ユニバースインド代表ということで、とにかく美しい。頭髪がない種族であるデルタ人という役柄なのでスキンヘッドにしていますが、頭の形も完璧でやはり美しい。劇中ではデッカーに並ぶキーパーソンですが存在感ではデッカーを圧倒していると言っても過言ではありません。もし「Phase II」が予定通りTVシリーズで展開していれば間違いなくシリーズ屈指の人気キャラになっていたのではないか…と思います。
アイリアとデッカーはTMP一作のみの登場ですが、彼らの設定は『新スター・トレック』のライカー副長とディアナ・トロイの元になったこともよく知られています。
ウィル・デッカーを演じた俳優
スティーヴン・コリンズ(Stephen Collins) (1947~)
日本語吹き替え:堀勝之祐/山路和弘(ディレクターズエディション)
アイリアを演じた俳優
パーシス・カンバータ(Persis Khambatta) (1949~1998)
日本語吹き替え:鈴木弘子/田中敦子(ディレクターズエディション)
ウィラード・デッカー|解任と降格|アイリア|エンタープライズ号へ緊急配属|二人を待ち受ける運命|編者補足
【脚注】
*1:デッカーは本来大佐だが、カークが艦長に復帰し大佐待遇となったため、一時的な措置として中佐に降格された。その後戦死ではなく行方不明扱いになっているため、記録的には中佐のままであると考えられる。↑
*2:ウィラードがマット・デッカー准将の息子であることは劇中では語られないが、パラマウントのパブリシティ資料ではそのように設定されている(『STAR TREK ENCYCLOPEDIA』)。↑
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