SFAPS
StarFleetAcademyPreparatrtySchool

STAR TREK:THE MOTION PICTURE SERIESスター・トレック:劇場版

  1. ホーム
  2. DATA
  3. SERIES
  4. 劇場版
  5. ジェネレーションズ

スター・トレック:ジェネレーションズ

STAR TREK
:GENERATIONS

スター・トレック
ジェネレーションズ

公開年:1994年(日本公開:1995年)
監督:デイヴィット・カーソン
出演者:
パトリック・スチュワート
ジョナサン・フレイクス
ブレント・スパイナー
マルコム・マクダウェル
ウーピー・ゴールドバーグ
ウィリアム・シャトナー

―――作品の見どころ―――

『スター・トレックジェネレーションズ』(以下、「ジェネレーションズ」)の見どころは、やはりカーク船長ピカード艦長二大艦長の夢の共演…なのだが
その他、時間を超越した存在“ネクサス”や、その“ネクサス”を追い求め暗躍するソラン博士、さらにかつてピカードの活躍によって失脚したクリンゴンの権勢家デュラス姉妹の復讐など様々な未知の存在や脅威がピカード達の前に立ちふさがる。

―――カークを殺すための映画だったのか―――

この映画の最大の見どころはカークとピカードの共演だ。だが、この共演がファンが求めていたところと同じところにあったかどうかというと甚だ疑問が残る。正直なところ、この映画を見て思うことは「カークを殺すための映画だったんだろうか?」ということだ。この映画には、TOSからTNGへという橋渡し的な意味があったわけではあるが、そのバトンの渡し方がわざわざ80年前からカークを呼び出したうえに死なせるというのははたしてどうなのだろうか?という思いがどうしても付きまとってしまう。

カークの死にざまに関してもいささか難ありと言わざるを得ないだろう。彼は崖から落ちて死んでしまうわけだが、当初はこの映画における悪役ソラン博士に背後から撃たれて死亡するというものだった。これは宇宙規模の英雄的人物がたった一人の男が放つ凶弾によって倒れるという皮肉めいたシーンにする狙いがあったのだという。正直なところ、中途半端にドラマチックにするならそちらの方が良かったように思える。カークの強烈な散り様などを見せられても、それを求めているファンというのは極めて少数ではなかったか。

どちらにせよカークほどのキャラクターをわざわざ死なせるということ自体に問題があると言わざるを得ないだろう。もちろん、そのまま生かしてジェネレーションズ後の作品にも出るようにするべきだったとは言わないが、せめて生死不明で終えてしまう(例えばカークだけ何らかの事情でネクサスに再突入するとか)のがベターであったように思える。
カークとピカードの共演は確かに夢だが、こういう形での共演は非常に残念だと言わざるを得ない。

―――総評―――

「ジェネレーションズ」はカークとピカードの共演と言う目玉によってあらゆる要素が中途半端になっているように思える。本作のもう一つの大きなテーマとして戻ることのない時間の尊さ、もっとざっくり言ってしまえば「時間」があると思われるが、こちらは矛盾だらけであまり練り込まれているとはいえない(ネクサスの設定があまりに都合が良すぎる)。さらにソラン博士もキャラクター自体は素晴らしいのだが、敵役としての立ち位置は微妙だ。せっかくの彼の魅力もピカードとカークの共演と言う目玉の前にどうしてもかすんでしまう。また、彼自身はカークやピカードに対してより、ネクサスへの関心が大きいことがこの微妙なズレを生み出しているように思える。

つまり、ネクサスという問題に対してピカードやカークにとってソランが最大の敵とならなければならない理由は実はあまりないし、逆にソランにしても敵対する相手がピカードとカークである必要はないわけだ。

映像としては目新しさはほとんどない。TVシリーズ終了直後ということであまりTVシリーズのイメージから逸脱できなかったという点はあるだろうが、あまり映画らしさというものを感じられなかったのも残念だ。

ただ、それまで長らく設定上のみの存在として考えられていたエンタープライズBが見られることや、上でずいぶんと否定的に書いてきたが、やはり二大艦長の共演というのは作品のウリとしては強力だ。また、ネクサスは非常にご都合主義的な存在だが、魅力的な存在であるということに関してはうまく表現されており、どんなものを犠牲にしても再びここに戻りたいというソランに共感できる部分があるのは確かだ。
最大の目玉に不満点が残るところは大きな欠点ではあるが、まったくの駄作というわけでもなく見どころが全然ないわけではないので何とも評価するのに悩ましい作品だ。


DATAに戻る|SERIESに戻る|劇場版に戻る